[ブリュッセル 3日 ロイター] – 欧州連合(EU)の最高裁判所である欧州司法裁判所(CJEU)は3日、EU加盟国の裁判官が米フェイスブック(FB.O)に対し世界各国の違法なコンテンツの削除を命令できるとの判断を下した。
判決によると、フェイスブックは特定の条件下で世界的なコンテンツ削除命令に応じなければならない場合があると指摘。「EUの法律はフェイスブックのようなホストプロバイダーが特定の条件下で、これまでに違法であると認められたものと同一および同等のコメントについて削除命令を受けることを排除していない。加えて、EUの法律は関連する国際法の枠組みの下で、このような削除命令が世界中に適用されることも排除していない」とした。
フェイスブックは判決を批判。特定の国で違法の可能性があるコンテンツの監視や削除を行うのはソーシャルプラットフォームの役割ではないとした。
フェイスブックは判決について「特定の国が言論に関する法律を他国に適用する権利はないという長年の原則を損なうものだ。またインターネット企業に対し、コンテンツへの積極的な監視と、これまでに違法であると判断されたコンテンツと『同等』かどうかの解釈を義務付けることにもつながる」とし、「裁判所は『同一』および『同等』が実際に何を意味するのか非常に明確な定義を設定する必要がある。表現の自由への悪影響を避けるために、裁判所が釣り合いの取れた慎重な方法を取ることを望む」とした。
英国の人権団体「アーティクル19」は、判決が世界中のオンライ上の表現の自由に影響を与える可能性があるとして、フェイスブックを支持。ある国では違法ではないにもかかわらず、別の国の裁判所がソーシャルメディアに投稿削除を命令するケースにつながる可能性があるとした。
欧州委員会は、判決は裁判所命令に限定されており、特定のコンテンツが違法であるというユーザーからの要請などは該当しないとした。