【ワシントン、北京時事】トランプ米大統領は11日、貿易摩擦が続く中国との間で「重要な第1段階の合意に達した」と述べ、15日に予定していた対中追加関税第1~3弾の引き上げを延期すると表明した。中国による米農産物の購入拡大や通貨安誘導の抑止など対立の小さい分野で部分的に合意。米国が是正を強く求める中国の不公正慣行や産業政策という重要課題の一部は先送りした。
トランプ氏は、ワシントンで10、11日に行われた米中閣僚級の貿易協議後、中国側代表の劉鶴副首相と面会。「貿易戦争の終わりに非常に近づいている」と語り、来年の大統領選を前に米国産大豆や豚肉の対中輸出拡大を強調した。また、農業や通貨、知的財産権、金融サービスで合意したと説明。今後3~5週間で成果文書をまとめ、南米チリで来月開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた米中首脳会談で署名したい意向を示した。