- 中国当局者は最大の争点である問題については譲歩しないと警告
- 大統領が12月15日に発動を計画している関税について中国は撤回望む
米国との包括的かつ長期的な貿易合意に達することが可能かどうか、中国の当局者らは疑念を抱いている。米中両国は「第1段階」の貿易協定調印に近づいているが、中国は最重要問題で譲歩する意向はないと、事情に詳しい関係者が述べている。
関係者によると、最近数週間に北京を訪れた人などとの個人的な対話で、中国当局者は最大の争点である問題については譲歩しないと警告した。当局者らはトランプ米大統領の衝動的な性格および部分的な協定ですら同大統領が合意内容を撤回するリスクを依然として懸念しているという。両国は数週間内に部分的な協定に署名したい考えを示してはいる。
中国は10月31日まで、北京で共産党第19期中央委員会第4回総会(4中総会)を開いていた。この会合に先立ち一部当局者は、米国がさらに関税を撤廃する意向でない限り、今後の米中交渉が意味のある結果を生むことはあまり期待できないとの考えを伝えていた。米国からの訪問者に対しそのメッセージを米政権へと持ち帰るように促したケースもあったという。
中国の習近平国家主席とトランプ大統領が会談の機会と見込んでいた11月16、17両日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の中止が10月30日に発表され、合意への新たな障害が生じた。
トランプ大統領は31日、米中首脳が協定に調印するための新たな場所探しが進められているとツイート。第1段階は「全体的な合意の約60%」に相当すると指摘した。
米政権はこの第1段階が、当初の提案よりも多くの重要な経済改革を含む包括的な合意につながるとしている。一方で中国当局者は、そのためには米国が約3600億ドル(約39兆円)相当の中国からの輸入に対する関税を撤回する必要があると論じる。トランプ大統領がこれに応じる可能性は低いとみられている。
中国の立場を知る関係者によれば、直ちに全ての関税を取り下る必要はないが、これが次の段階に含まれることが要件。中国はまた、トランプ大統領が12月15日に発動を計画している関税についても撤回を望んでいるという。
中国側は第1段階の後に交渉を継続する意思があるものの、米国側が求める根の深い構造問題についての合意は非常に難しいと双方ともが認識していると、交渉内容を知る中国当局者が述べた。
ホワイトハウスのジャド・ディア報道官は31日、この記事が最初に配信された後に取材に応じ、大統領が中国とのより公正な貿易につながるような「現実的かつ検証可能で強制力ある結果をもたらす本物の構造改革を求めている」と述べた。
中国商務省に貿易交渉に関してファクスでコメントを求めたが、現時点で返答はない。
原題:China Said to Doubt Long-Term Trade Deal Possible With Trump (2)(抜粋)