• 衝突は深夜まで継続、1人は頭部への打撃で意識不明-RTHK
  • 暴力を止め、デモ参加者による犯罪は罰する必要がある-中国外務省
Hong Kong Protester Shot by Police in Morning Commute Chaos
Photographer: Nicole Tung/Bloomberg

香港では12日、警察が金融街・中環(セントラル)など複数の箇所で抗議活動参加者に催涙ガスを繰り返し発射した。デモ隊と警察の衝突は夜の遅い時間まで続き、デモ隊は13日朝の通勤電車の運行を妨害するよう呼び掛けている。

催涙ガスは現地時間午後4時(日本時間同5時)前に中環で2日連続で発射された。新界にある香港中文大学のキャンパスでは衝突が深夜まで続く中で数回にわたり放たれた。地元放送局の香港電台(RTHK)によると、多数の学生が負傷し、1人は頭部に打撃を受けて意識不明に陥ったとみられる。

香港警察は午後11時27分に情報を更新し、同大学の状況は「激化が続き」、警察が「後退する中で、デモ隊はレンガや火炎瓶を投げつけ、矢を放ち、信号弾も撃ってきた」と報告した。その後、衝突はやや落ち着いた模様だ。

地下鉄を運営する香港鉄路(MTR)は12日午前、ウェブサイトで九竜と新界から香港島に向かう4つの主要路線で運転見合わせ、または遅延が生じていると説明。その後、状況の急転を理由に乗り継ぎの利用客が多い旺角駅を閉鎖することを明らかにした。

香港医院管理局の報道官によると、同日午前7時30分(日本時間同8時30分)時点で128人ほどが最近の衝突で負傷し、病院に搬送された。2人が引き続き重体となっている。

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は匿名の関係者を引用し、警察官に11日撃たれた21歳の学生の容体に改善が見られると報じた。ただ、なお深刻な状況だという。警察関係者の話として違法な集会に関わった疑いで学生が拘束されたとも伝えた。

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運行が妨害され列車から線路に降りる通勤客(12日)Photographer: Andy Wong/AP

中国外務省の駐香港特派員公署は12日の声明で、「黒服の暴徒」の行為はテロと何ら変わりはないと主張。米国や英国の政治家は香港警察を非難することで「違法な暴徒」と共謀を試みていることを示していると指摘したが、名指しはしていない。暴力を止めなければならず、抗議デモ参加者による犯罪は罰する必要があるともあらためて表明した。

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は12日、区議会議員選(地方議会選)を予定通り24日に実施したいとの意向を示した。

林鄭長官は定例記者会見で、区議選の実施について「われわれは選挙を行えると引き続き期待している。400万人の有権者が権利を持つ重要な選挙であり、これを尊重し守るため精いっぱい取り組んでいる」と説明。一方で、「安全や秩序の問題もあり、この2つの要件を満たすため懸命に作業しなければならない」と述べた。

Carrie Lam
香港の林鄭月娥行政長官(12日)Photographer: Vincent Yu/AP

香港空港管理局は12日未明、利用客に対し交通妨害に関して注意を促し、フライトに間に合うよう早めに空港に到着するよう呼び掛けた。多くの主要大学は休校となっていた。

九竜塘でも警察に物を投げつけていた抗議活動参加者に当局が催涙ガスを放った。

原題:Police Warn ‘Rioters’ After University Clashes: Hong Kong Update;Hong Kong Police Fire Tear Gas, Corner Protesters in Central(抜粋)