【ソウル時事】韓国のトップ棋士で、人工知能(AI)による囲碁ソフト「アルファ碁」との対局が注目を集めた李世ドル(イ・セドル)九段(36)が、プロ棋士を引退したことが29日、分かった。韓国棋院に19日、引退届を出した。李氏は聯合ニュースに「第一人者になっても勝てない存在がいる」と述べ、引退の理由としてAIの壁を感じたことを挙げた。
李氏は12歳でプロ入り。優れた読みと攻撃的な棋風で、2000年代に囲碁の世界タイトルを次々と制覇し、世界トップクラスの実力を持つ。
16年3月には、米グーグル社傘下企業が開発した囲碁の人工知能「アルファ碁」と対局し、1勝4敗で負け越した。対局後の会見で「力不足を露呈した」と悔しさをにじませつつも、「人間がまだ十分に渡り合える水準と思う」と話していた。