トランプ大統領が、イランの国民的英雄であるソレイマニ司令官を殺害した波紋が広がっている。次の焦点は米国への報復を宣言しているイランの出方だ。専門家と称する人たちが様々な見通しを展開している。いずれ結果は出るだろうから、報復に関する予断は控えることにしよう。中東情勢の緊迫化も気になるが、これを受けて北朝鮮の金正恩委員長の反応を知りたいと思っていたところ、アジアプレス・インターナショナルにタイムリーな記事が出ていた。Yahooニュースが転電している。

それによると「朝鮮中央通信は、攻撃から2日遅れの5日になって、イラクのバグダッドの飛行場を米国がミサイル攻撃し、革命防衛隊の司令官とイラクの準軍事武力の高位指揮官などが死亡した、と短く伝えた。ソレイマニ司令官の名前は伏せられていた」という。これをみて、「2016年までロンドンの北朝鮮大使館で公使を務め韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)氏は、『金正恩氏は強い衝撃を受けたはずだ』と、6日、自身のブログに記した」と紹介している。脱北者である高官の証言である。注目に値する。

少し長いが、記事から同氏の証言を引用する。「ソレイマニ司令官は、中東からアフガニスタンまでのシーア派武装勢力を束ねてきたイランの超大物軍人だ。その重要人物が、動向を把握された挙句、無人機でいとも簡単に殺されたわけだ。金正恩氏としては、米国の軍事力の凄まじさと、それを実際に行使するトランプ氏に恐怖を感じたことだろう」とある。さもありなんという気がする。これを受けて金委員長はどうするだろう。強硬策を降ろすのか?個人的に気になった。だが、テ・ヨンホ氏は言う。金委員長は「自分を守ってくれるのは、核兵器しかないと、確信をさらに固くしただろう」と。どこまでいっても北朝鮮に救いはない。