[ニューヨーク 10日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが対円で4週間ぶり高値から下げたほか、スイスフランに対しても下落した。市場では米国とイランの緊張再燃の可能性が意識された。
対円JPY=では小幅安の109.49円。対スイスフランCHF=では0.1%安の0.9727フラン。
米・イランの全面対決の恐れが後退したことで、安全資産とされる円とスイスフランは先週の高値から下落していたが、米政府がこの日、イランによるイラクの米軍駐留基地に対するミサイル攻撃を受けて今週発動した対イラン追加制裁の内容を公表。また、さらなる制裁強化の可能性を示したことで、対立への懸念が再浮上した。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの主任市場ストラテジスト、カール・チャモタ氏は「米国がなおイランに強硬路線を示していることが安全資産への需要を促した」と述べた。
米経済指標では、労働省が10日発表した2019年12月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から14万5000人増と11月から鈍化し、市場予想の16万4000人増を下回った。雇用統計発表後、米ドルは上げ幅を削った。
賃金の伸びも鈍化し、時間当たり平均賃金は0.1%(3セント)増と11月の0.3%増からペースが落ちた。前年同月比では2.9%増。11月は3.1%増加していた。
CIBCキャピタルマーケッツの北米FX戦略部長、バイパン・ライ氏は、「ドルロングがこれまで選好されてきたため、投資家はポジション解消を検討するだろう」と述べた。
主要通貨に対するドル指数.DXYは0.1%安の97.30.一時は2週間ぶり水準の97.584に上げる場面もあった。
ドル/円
NY終値 109.46/109.49
始値 109.61
高値 109.69
安値 109.44
ユーロ/ドル
NY終値 1.1120/1.1124
始値 1.1090
高値 1.1129
安値 1.1087