毎朝ニュースを見ながら苛立つことが多いが、時には「そうだ、そうだ」と合点することもある。今朝、思い切り合点したのは以下のニュース。時事通信が配信した「ゴーン被告『卑しい』、フランス労組幹部、退職手当要求を非難」という記事。中身を見ると「フランス最大の労働組合、労働総同盟(CGT)のマルチネス書記長は14日、仏テレビに出演し、仏自動車大手ルノーに対して退職手当を要求している日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告を『卑しい』と非難した」とある。かねてより「強欲な独裁者」と品良く同被告を非難していた身としては「合点、合点」と相槌を打った。

 マルチネス氏は続ける。「ゴーン被告はルノーで数万人を解雇した。雇用と業界をめちゃくちゃにしておきながら、ルノーをクビになった従業員のように労働裁判所へ行こうとしている」と指摘。「彼は人を見下す金持ちだ」と糾弾した。ゴーン被告がいくら日本の司法制度を批判しても、マルチネス書記長の指摘は永遠に拭えない。自らの潔白を証明するためには日本に戻って裁判で勝利する以外にないのだが、それはこの先おそらく永遠にないだろう。とすればゴーン被告に浴びせられた“卑しい”の一言は永遠につきまとうことになる。

ゴーン被告に正義にかける思いと、身の潔白を証明し自らに降り注いだ“汚名”を払拭したい気があれば、今からでも遅くない。日本に帰って裁判所の判断を受けるべきだろう。そんなことは絶対に起こりえないのだから、書いてもあまり意味がない。意味のないことを書くこと自体が虚しいのだが、日本国の主権を犯した逃亡犯へのせめてもの八つ当たりだから致し方ない。公平のために一言付け加えれば、フランスの労働総同盟は年金の既得権を確保するために、フランス全土でゼネストを指揮してきた張本人である。これを“卑しい”とは言わないが、年金すら受け取れない貧困層がいることも忘れるべきではない。