29日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが上げ幅を縮小。円と米国債は上昇した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、新型コロナウイルスなど経済的な不確実性は残ると述べた。
- 主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高。一時は0.1%超上昇した。ドルは主要10通貨の大半に対して上昇
- FOMCは政策金利を据え置き、金融政策は「適切」だと表明。超過準備への付利(IOER)を1.6%に、翌日物リバースレポ金利は1.5%にそれぞれ5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げた
- パウエル議長は会合後の記者会見で、インフレに関する当局の新たな文言について、インフレが当局目標の2%を下回り続けている状況に当局が満足していないことを明確に示す意図があったと説明
- スコシアバンクのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏:
- FOMCは「インフレが持ち直した段階で、景気がやや過熱した状況の容認を検討する可能性がある。利上げはそれからになる」
- パウエル氏はコロナウイルスの影響を「非常に慎重に」見守っているとも発言。投資家は感染拡大の影響を見極めている
- 世界保健機関(WHO)は30日の会合で、「緊急事態」を宣言するかどうか検討すると明らかにした
- 米10年債利回りは8bp低下の1.58%
- 月末のフローはドル売り方向に傾いているが、新型ウイルス不安の影響で相殺される可能性も
- 昨年12月の米中古住宅販売成約指数は、市場予想に反して大幅な低下となった
- ニューヨーク時間午後4時46分現在、ドルは対円で0.1%安の1ドル=109円05銭。ユーロは対ドルで0.2%安の1ユーロ=1.1006ドル
原題:Yen Firms after Powell Notes Economic Uncertainties: Inside G-10(抜粋)