トランプ大統領

アメリカのトランプ政権がイスラエル寄りの姿勢を鮮明にした中東和平案を発表したことを受けて、パレスチナでは各地で抗議デモが相次ぎ、イスラエル軍が実弾を発砲するなどして、3人がけがをしました。

アメリカのトランプ政権は28日、イスラエルとパレスチナの長年の紛争を解決するためとして独自の中東和平案を発表しましたが、国際法に違反して建設されたユダヤ人入植地のほとんどをイスラエルの領土とするなど、イスラエル寄りの姿勢を鮮明にした内容になっています。これを受けて、パレスチナ側は、和平案を断固拒否するとして抗議デモを呼びかけ、29日、パレスチナ暫定自治区の主要都市、ラマラやヘブロンなど少なくとも6か所で抗議デモが行われました。

このうち、ベツレヘムではおよそ200人が「パレスチナの将来の首都はエルサレムだけだ」と書かれた横断幕を掲げてデモ行進し、周囲で警戒にあたるイスラエル軍に向けて投石を繰り返し、イスラエル軍が多数の催涙弾を発射して鎮圧にあたりました。

一連の衝突では、イスラエル軍が実弾を発砲するなどして、3人がけがをしました。

パレスチナ側は31日の金曜礼拝に合わせて、大規模な抗議デモを行うものとみられ、トランプ政権による中東和平案の発表をきっかけに、双方の衝突が拡大することが懸念されます。