[ウエストパームビーチ(米フロリダ州) 2日 ロイター] – トランプ米大統領と民主党の大統領候補指名を目指すブルームバーグ前ニューヨーク市長の陣営は2日、互いを嘲笑する辛辣な言葉をぶつけあう舌戦を演じた。ブルームバーグ氏は、トランプ氏の悪名高い個人攻撃に真っ向から対抗していく姿勢を鮮明にした。 

一方のトランプ氏は、一連の発言やツイートで、資金力を武器に選挙戦を優位にすすめる可能性があるブルームバーグ氏への警戒感をのぞかせた。 

前週30日公表のロイター/イプソスの世論調査によると、民主党候補指名争いで、ブルームバーグ氏は過去数週間に着々と支持率を伸ばし、ウォーレン上院議員を追い抜き3位につけた。 

トランプ氏は2日放送されたFOXニュースの番組でのインタビューで、自身に比べて身長が低いブルームバーグ氏はテレビ討論会に参加するために踏み台を要請したそうだと皮肉った。インタビューはトランプ氏のフロリダ州の別荘で録画された。 

「ブルームバーグ氏は討論会で踏み台が欲しいそうだが、そんな権利はあるのだろうか。参加者全員が踏み台を与えられるという意味か」と嘲った。 

前日の夜にも一連のツイートで、自身よりも小柄なブルームバーグ氏を「ミニ・マイク」と呼んでいた。 

ブルームバーグ陣営の広報官、ジュリー・ウッド氏は2日、踏み台要請の発言を否定したうえで「大統領は何に関してもうそをつく病的なうそつきだ。自分のかつらや肥満、スプレーした褐色の肌も全部うそだ」と辛辣に批判した。 

トランプ氏はインタビューでまた、民主党全国委員会がテレビ討論会の参加資格で個人献金に関する条件を撤廃し、ブルームバーグ氏が2月の討論会に参加するのを可能にしたことについて、「民主党員にとっては非常に不公平だ。ただ、私はブルームバーグ氏と対戦できれば非常に嬉しい」と強調した。 

トランプ氏の顧問の一部は、ブルームバーグ氏がトランプ氏打倒に推定10億ドルかそれ以上を使う資金力があるため、民主党の候補になることを恐れていると打ち明けている。 

ブルームバーグ氏は支援者などからの献金を一切受け取らず、600億ドルとも言われる自らの資産の一部を投じてキャンペーンを展開する意向を明らかにしている。民主党の指名が獲得できなくても、11月の大統領選に向けて政治広告にさらなる資金を使う考えも示している。 

同氏はロサンゼルスでの集会でトランプ氏の発言について問われ、自身の支持率が上がったことへの反応だと指摘し、「私がトランプ氏を打ち負かせるとトランプ氏は知っているからそのようなコメントが出るのだろう」と語った。