[アンカラ/イスタンブール 3日 ロイター] – トルコは3日、シリアの北西部イドリブ県でトルコ軍兵士らが砲撃を受け、民間人1人を含む8人が死亡したと発表。報復としてシリアのアサド政権軍を攻撃したと明らかにした。 

トルコの国営アナドル通信によると、トルコ軍はイドリブ県の54カ所で報復攻撃を行い、シリア政府軍の兵士76人を無力化したとアカル国防相が発表した。 

シリアのアサド政権軍はロシア軍の支援を受け、反体制派最後の拠点とされるイドリブ県で大規模な攻撃を実施。トルコは政権による攻撃が停止されなければ、軍事作戦を行う可能性があると警告していた。 

ウクライナのキエフを訪問したトルコのエルドアン大統領は、イドリブ県の情勢が「管理不能」になっていると懸念した。 

シリア北東部では、トルコとロシアが共同で監視活動を実施しているが、北西部のイドリブではロシアが支援するシリア政府軍とトルコは対立関係にある。エルドアン大統領によると、トルコはロシアに対し、イドリブ周辺での戦闘に関与しないよう求めている。今回の衝突は、トルコとロシアの協力関係に影響を及ぼす可能性もある。 

英国を拠点とするシリア人権監視団は、トルコの報復でシリア政権軍兵士13人が死亡したと指摘。シリア国営テレビは、政府軍に死者は出ていないと伝えた。 

一方、ロシア国防省は、トルコ軍はイドリブ県でロシアへの通知なく動いたため、シリア政府軍の攻撃を受けたと説明。また、トルコによるシリア軍への空爆はなかったとした。