• 借り入れ目的は手元資金拡充のため-広報担当者
  • 保有する通信子会社の株式9億5300万株を担保にする

ソフトバンクグループは19日、子会社の国内通信大手ソフトバンク株を担保に、最大5000億円を借り入れると発表した。

期間は最長3年。 国内外金融機関16社から2月25日に借り入れる。借り入れ目的は手元資金の拡充のためと広報担当者がブルームバーグの電話取材で明らかにした。金融機関名は非開示としている。

SoftBank CEO Masayoshi Son Presents Third-Quarter Results
ソフトバンクグループの孫社長

今回の借り入れはマージン・ローンと呼ばれる手法で、ソフトバンクGが保有するソフトバンク株31億8292万株のうち、9億5300万株を100%子会社の日の出1号に貸し出し、日の出1号が金融機関から借り入れる形態を取る。

ソフトバンクGは、同社株を30億ドル(3300億円)近く取得した物言う株主の米エリオット・マネジメントから最大200億ドルの自社株買いを求められている。また、昨年10月にはシェアオフィス事業を手掛ける米ウィーワークへの総額約1兆円の支援策を発表した。

孫正義社長は12日の決算会見で、資金の余裕がある状態での自社株買いは「基本的な私の考えと一致する」と発言し、「タイミングと規模は今後考える」と述べた。

決算短信によると、ソフトバンクGが2019年末時点で保有する現金・現金同等物は3兆8047億円で、連結有利子負債とリース負債の合計額は19兆2500億円。負債は、同年3月末時点からおよそ3兆5000億円増えていた。