21日の米国債市場で30年債利回りが過去最低に達した。米企業活動の縮小を示す経済指標が発表されたことで、新型コロナウイルスの世界経済への影響に関する不安が増幅された。

  中国以外での新型ウイルス感染拡大が加速する中、30年債利回りは一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて1.8843%。2月のIHSマークイット米総合購買担当者指数(PMI)速報値で米企業活動が2013年以降初めて縮小したことが示された後、昨年8月に付けたこれまでの最低水準を割り込んだ。10年債利回りは一時1.44%を割り込み、同年9月以来の低水準となった。

  市場では米利下げ観測も高まった。フェデラルファンド(FF)金利先物市場は年内に0.5ポイントかそれ以上の利下げがあることを一時織り込んだ。

Treasury 30-year yield falls to all-time low amid disappointing PMI, virus concerns

  BNPパリバのストラテジスト、ティモシー・ハイ氏は「デュレーションへの需要がすでに高い環境であり、短期的にはコロナウイルスが相場を動かす主な材料となるようだ」と語った。

原題:
U.S. Long-Bond Yields Drop to Record Low on Virus Concerns(抜粋)