- 週明けのアジア市場、中国経済に予想以上の打撃、FRBに圧力
- モルガンSはFANG買いに意欲、マスク買わないでと米長官
いつの日かウイルス危機が収束し、中国で人々が自由に外に出てマスクを外し、深呼吸できる日が来たら、その空気はきっとおいしい空気に違いない。米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の衛星が宇宙から捉えた中国上空のデータは、広い範囲にわたって有害物質の二酸化窒素が劇的に減ったことを鮮明に表示している。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
荒れ模様の予感
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の声明で、市場にやや戻った安心感は週明けのアジア市場ではすでに消失しているかもしれない。中国の経済統計が予想以上に悪く、新型コロナウイルス感染に関する状況は深刻さを増している。スタンダード・チャータード銀のスティーブン・イングランダー氏は、FRBが助けてくれるという認識は広がったが、多くは先週金曜日に織り込み済みだと指摘した。
予想以上の打撃
中国の国家統計局が発表した2月の製造業購買担当者指数(PMI)は35.7と、過去最低となった。非製造業PMIも29.6と、1月の54.1を大きく下回った。ANZの邢兆鵬氏は「V字回復の可能性は低い」と指摘。財新が2日発表する製造業PMIについては、前月の51.1から46への低下がエコノミストのコンセンサス予想となっている。
利下げとウイルス
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週末の声明で、今月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利引き下げに道を開いた。FOMCを待たずに緊急利下げに踏み切るとの観測さえ、市場では聞こえてくる。利下げがウイルス感染の拡大に与える効果は未知数だが、米金融当局としては「できることをやるだろう」とマイヤー元FRB理事は述べた。
FANG買い
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントで53億ドル(5700億円)相当の株式ファンドを運用するアンドルー・スリモン氏は、アマゾンなどの大型ハイテク株を「ここからは、もっと買っていく」と述べた。同氏は大型ハイテク株を急落前に売ったが、「もっと売っておけばよかった」と発言。今は中国テクノロジー企業の株にも目を付けているという。
予防効果なし
マスク着用には新型コロナウイルスを予防する効果がないとして、ジェローム・アダムズ米公衆衛生局長官は「マスクは買わないで」とツイッターで国民に訴えた。感染者のケアにあたる医療関係者がマスクを入手できなければ、地域社会全体のリスクになると警告。手洗い励行のほかに、新型ウイルス対応に人的・資金的リソースを回せるため、インフルエンザのワクチン接種も有益だと指摘した。
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