[ロンドン 17日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は17日、新型コロナウイルス対応で、欧州諸国は可能な限り「最も大胆な」行動を取るべきとの認識を示した。
WHOの欧州地域ディレクター、ハンス・クルージュ氏は欧州地域の保健当局者とのオンライン会合後、「欧州は新型コロナの震源地になっており、欧州各国は例外なく、ウイルスの封じ込めもしくは感染ペース鈍化に向けた最も大胆な措置を講じる必要がある」と強調した。
英政府が国民に要請した社会的距離戦略(ソーシャル・ディスタンシング)について「満足している」とし、各国による連携を促した。
ジョンソン英首相は前日、新型コロナ感染防止策として、不必要な他者との接触を避け、旅行もできるだけ控えるよう国民に要請。さらに、70歳以上で持病を抱える人や妊婦などは今週末から12週間、自主隔離をするよう指示した。
イタリア、スペイン、フランス、ドイツなども厳格な閉鎖措置を実施している。
また、人口動態などの複数の要因によって感染ペースが国ごとに異なると指摘。各国が1)感染例なし、2)初の感染、3)初の集団感染、4)市中感染の初の兆候という4つのシナリオに分類され、「一部の欧州諸国はシナリオ2もしくは3に、多くがシナリオ3もしくは4に相当する」と述べた。
さらに中国などの状況を踏まえ、検査や感染の特定、社会的距離措置、地域を挙げた対応を「迅速かつ効果的に」実施すれば「感染を阻止し、命を救うことが可能」と指摘した。