- 既存のプログラムの全適格資産と金融機関以外のCPも対象
- 危機が終わったと判断すれば打ち切るが、少なくとも年内は続ける
欧州中央銀行(ECB)は18日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、7500億ユーロ(約89兆円)相当の新たな臨時の資産購入プログラムを導入すると発表した。民間、公的部門の証券を対象に2020年末まで実施する。
ECBが18日夜に臨時の政策委員会を開催して決定した。「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」は、既存の量的緩和(QE)プログラムの下での全ての適格資産カテゴリーに加え、信用の質が十分と認定される金融機関以外のコマーシャルペーパー(CP)にも対象を拡大する。
ギリシャ国債も現行ルールの適用を免除して購入対象に含め、主要なリスクパラメーターの調整を通じて担保基準も緩和する。新型コロナ感染拡大に伴う危機のフェーズが去ったと判断すれば、PEPPの純資産購入を打ち切るが、いずれにしても年内は続ける。
ECBは声明で、必要に応じて資産購入プログラムの規模を拡大し、構成を調整する十分な用意があると説明。自らに課すQE資産保有の上限見直しを検討する方針も明らかにした。
ECBのラガルド総裁はPEPPの導入発表後にツイートし、マンデート(責務)の範囲内で、ECBのツール(政策手段)を「最大限」活用する決意だと表明。非常時には特別な対応が必要だとした上で、「ユーロへのわれわれのコミットメントに限界はない」と強調した。
一方、関係者によれば、ユーロ圏当局者は、域内の最も脆弱(ぜいじゃく)な諸国への感染拡大に伴う圧力軽減に向け、救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)の再稼働を検討している。
ルメール仏経済・財務相は18日、ECBが利用可能なあらゆる手段を速やかに活用し、迅速かつ大規模に介入を行うべきだと主張。それらの手段を総合的に駆使する必要があり、ユーロ圏の救済基金であるESMもそれに含まれると述べていた。
原題:ECB Announces 750 Billion Euro Pandemic Bond-Buying Program (2)
ECB Announces EU750 Bln Bond Program in Virus Response
ECB’s Lagarde Says No Limits To Commitment to Euro
France’s Le Maire Says ECB Should Intervene Quickly, Massively(抜粋)