米上院のバー情報特別委員長=1月21日、ワシントン(AFP時事)
米上院のバー情報特別委員長=1月21日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】米上院のバー情報特別委員長(共和党)ら4議員が、新型コロナウイルスの感染拡大で米株式市場が暴落する前に株を売却していたことが米メディアの報道で明らかになった。トランプ大統領にも近いバー氏は20日、一般ニュースの情報を基に売却したと説明したが、「特権を利用した損失回避」との批判が強まっている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、バー氏は新型ウイルスに関する「非公開説明」を政府関係者らから受けた後の2月13日、最大170万ドル(約1億9000万円)の株を売却。急落が始まる前だったため、少なくとも25万ドル(約2800万円)相当の損失を免れたとされる。

 感染症対策の立法を手がけた経歴もあるバー氏は2月上旬、「米国は以前よりもはるかに準備ができている」と米メディアに投稿。国民に落ち着いた対応を呼び掛けていた。

 バー氏は20日、「多くの人が後知恵でいろいろ言うのは理解できる」と述べ、進んで潔白を証明する考えを示した。だが、保守系FOXニュースの司会者からも「危機に際して国民を裏切るほど倫理的に深刻な罪はない」と辞任を求める声が出るなど、批判が広がっている。