厚生労働省は3日にも、新型コロナウイルスの感染者のうち軽症者が、自宅や宿泊施設など病院以外で療養する場合の考え方を各都道府県などに示す。感染者が増え、重症患者の入院に支障をきたす自治体では、この考え方に沿って医療機関以外での軽症者の療養が事実上できるようになる。
政府は2月に示した新型コロナウイルス対策の基本方針で、地域で入院が必要な患者が大幅に増えた状況では、軽症者は自宅での療養を原則としている。
現在は感染者は原則全員が入院し、退院するにはウイルス検査で2回陰性が確認されないといけない。感染者が急増するなか、地域の医療体制を圧迫している。厚労省は自治体に対し、自宅療養についての考え方を追って示すとしていた。
自治体に示す考え方では、軽症者が療養する宿泊施設でのケアの方法や人員配置などが示される見通し。関係者によると、自宅や宿泊施設での療養の対象となるのは、高齢者や基礎疾患のある人を除く軽症者。宿泊施設の利用は、高齢者や妊婦など感染すると重症化する恐れがある人と同居している場合を想定している。
1日に開かれた政府の専門家会議も、爆発的な患者増加(オーバーシュート)が起こる前に、医療現場が機能不全に陥ると警告し、軽症者は自宅療養や他の施設での宿泊も選択肢とすべきだと提言していた。(土肥修一)