[ベルリン 20日 ロイター] – ドイツのメルケル首相は20日、欧州連合(EU)予算の拡大と欧州委員会による共同債発行を通して新型コロナウイルスの打撃を受けた欧州経済の回復を支援する用意があると示唆した。 

メルケル首相は記者会見で、新型ウイルス感染拡大で大きな痛手を受けたイタリアやスペインなどのEU加盟国に対しEU予算の拡大や共同債の発行を通して支援する案を支持するかとの質問に対し、EU条約の下でこうした措置は可能とし、「ドイツは連帯して行動したいと考えているだけでなく、実際に連帯して行動する」と述べた。 

こうした連帯の行動は欧州の既存条約の枠組みの中で実施される必要があるとしながらも、ドイツの繁栄は他の欧州諸国の繁栄に依存しているという従来の立場を改めて表明。「これはパンデミック(感染症の世界的な流行)であり、いかなる国も自国の責任でこうした事態に直面しているのではないことを念頭に置いておく必要がある」と述べた。 

その上で、EU予算は感染が拡大する前の協議内容とは様相が大きく変わり、規模も拡大する可能性があるとし、景気回復に向けた措置の支援になる場合、EU条約の修正を受け入れる姿勢も示した。