[ワシントン 24日 ロイター] – 米議会の共和・民主両党は新型コロナウイルス流行を受けた対応で総額3兆ドルに上る経済対策を協調して成立させたが、州や地方政府に対する支援を巡って新たな対立が深まっている。 

州知事や地方当局者の訴えを受け、民主党は幅広い経済対策の一環として連邦政府からの大規模な支援策を主張。数週間内に少なくとも2兆ドル規模を求める案も出ている。 

こうした案に対し、上院共和党トップのマコネル院内総務は22日のラジオ番組で、共和党は今後の新型コロナ対策法案で州・地方政府向けに追加支援を行うことは支持しないとする一方、州に破産法申請の選択肢を認めることは支持すると表明。一方、民主党のペロシ下院議長はこの発言に「なぜそれが良い考えだと思えるのか」とかみついた。 

11月の大統領選で再選を目指すトランプ大統領も23日の新型コロナ会見で、「問題のある州が民主党(系首長)であるのは興味深い」と論戦に加わった。 

ただ、上院民主党トップのシューマー院内総務は24日、マコネル氏の州破産発言には与野党双方から批判が出ており、議会が地方支援を行う可能性が高まっていると指摘。「彼が正気に戻り、州や地方政府への支援を指示してくれることを望む」と話した。 

地方支援はクオモ・ニューヨーク州知事(民主党)が強く求めているが、全米知事協会会長を務めるメリーランド州のホーガン知事(共和党)も21日付の議会指導者への書簡で「連邦政府による大規模な支援」を要請。オハイオ州のポートマン知事(共和党)もこれに同調している。 

共和党のキャシディー上院議員(ルイジアナ州)は、連邦政府が州・地方政府向けに5000億ドル規模の安定化基金を創設することを求めている。 

州知事からは、ミシガン州やイリノイ州などに破産を認めることは米経済の崩壊につながりかねないと懸念の声も出ている。 

しかし、共和党側は今週、民主党が州支援に固執しているとし、中小企業支援法案の可決に遅れが出ていると批判した。