東京都は8日から、都内で行われた新型コロナウイルスのPCR検査について、独自の方法で算出した数字を「陽性率」として公表することになりました。それによりますと「陽性率」は4月中旬から減少する傾向が続いていて、7日は7.5%ですが、都の担当者は「まだ高い値だ」と話しています。
東京都は8日から、都内で行われた新型コロナウイルスのPCR検査について、独自の方法で算出した数字を「陽性率」として公表することになりました。
それによりますと、ピークは4月11日と14日で、いずれも31.6%でした。その後、減少する傾向が続き7日は7.5%でした。
「陽性率」を算出した都の福祉保健局の担当者は、「きのうの7.5%は、ことし3月中旬に陽性率が上がってきたころよりも、まだ高い値だ。患者数が減っている中、陽性率もみることで真の減少であるといえる」と説明しています。
都は9日以降も平日はできるだけ毎日、「陽性率」を公表することにしています。
東京都が公表する「陽性率」とは
都が8日から公表をはじめた「陽性率」とは、その日に行われたPCR検査で、陽性と判明した人数を、検査した人数で割って算出したものではありません。
都は、その日までの1週間に陽性と判明した人数の平均を、その日までの1週間に検査した人数の平均で割って「陽性率」を算出しています。
たとえば、7日の「陽性率」は、5月1日から7日までの1週間に陽性と判明した人の平均である22人を、同じ期間に検査した人の平均292人で割って、7.5%と算出したということです。
検査した人数には、すでに感染が確認され、入院している患者の陰性を確認するための検査は含まれていません。
都は「陽性率」の算出に、1週間の人数の平均を使う理由について、病院などで起きている集団感染に関する検査が行われる日は、陽性になる人の割合が一気に増えたり、平日と土日で検査態勢が異なったりするため、平準化する必要があると説明しています。
都は、都内のすべての検査をもとに「陽性率」を算出することにしていますが、医療機関で保険を適用して行った検査の情報が、毎日、得られるようになったのは7日からです。
都は6日までの「陽性率」に、保険適用の検査をさかのぼって加えて反映させることは難しいと説明しています。
小池知事「1つの目安」
小池知事は8日夜、記者団に対し「きょう初めて『陽性率』を出した。1つの目安だ」と述べました。
そのうえで、記者団が「毎日の『陽性率』は、今後、都の緊急事態措置の解除に向けたロードマップを策定するうえで、重要な1つの指標になると考えているか」と質問したのに対し、小池知事は「すべて重要な指数だ。感染した方の数字や、検査を受けた方の数字、コールセンターへの電話の本数など、すべて重要な数字だと考えている」と述べました。