4-6月(第2四半期)の米経済成長は、少なくとも1940年代以降で最大の落ち込みを示した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が全米の事業活動に大きな打撃を与え、大量の失業者を生んだ状況が浮き彫りになった。
キーポイント |
---|
・4-6月の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比9.5%減少 ・年率換算では32.9%減 ・四半期ベースの公表を開始した1947年以降で最も急激な落ち込み ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は34.5%減だった ・1-3月(第1四半期)は前期比年率5%減 |
米経済の約3分の2を占める個人消費は前期比年率34.6%減少と、同じく過去最大の減少率となった。特にサービス分野への支出は同43.5%減少し、パンデミックが及ぼした打撃の深さを示した。
キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、アンドルー・ハンター氏は「5、6月に経済活動が大きく持ち直したことは周知の通りで、7-9月(第3四半期)GDPが力強い伸びを示すお膳立ては整いつつある」とリポートで指摘。その上で「新型コロナ感染がここへきて再び急拡大し、7月には景気への重しとなり始めている。V字回復が続く公算は小さい」と記した。
構築物や機器、知的財産への設備投資は前期比年率27%減と、1952年以来の大きなマイナス。住宅投資は38.7%減で、1980年以来の大きさで落ち込んだ。
コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)が3月下旬に成立したことを受け、4-6月の政府支出は前期比年率2.7%増。特に非国防支出は39.7%増と急激に増えた。一方、税収が急減する中で州・自治体による支出は5.6%減った。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Economy Shrinks at Record 32.9% Pace in Second Quarter (3)(抜粋)