• 中国企業の米上場規定厳格化へ、米失業保険申請は予想以上に減少、
  • 関税活用に意欲、議会横目に大統領令準備、トランプ氏を熱烈支持

大恐慌以来の深刻な失業に苦しむ米経済は、回復への軌道にあるのか、あるいは失速もしくは後退しているのか。7月の米雇用統計が注目されています。トランプ大統領は「また大きな数字が出てくる」と、5日にフォックスとのインタビューで述べました。同氏は2018年に、5月雇用統計の発表前夜に数字を把握し、慣例を打ち破って「明日の統計が楽しみだ」とツイートしたことがあります。雇用統計は日本時間午後9時半に発表。エコノミスト予想の中央値は、雇用者150万人増への減速です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

包囲網

トランプ政権の金融市場作業部会は証券取引委員会(SEC)に対し、中国企業の株式上場に際しての情報開示ルールを厳格化するよう勧告した。投資家を欺く不正の可能性が高まっていることを理由としている。米財務省当局者によれば、規制強化がどのように実行されるかについては勧告に含まれていない。

財政の崖目前

先週の米新規失業保険申請件数は前週比24万9000件減の119万件と、市場の予想以上に減少し、新型コロナウイルス感染がパンデミック(世界的大流行)となって以降で最少を記録した。エコノミスト調査の中央値では、140万件と見込まれていた。明るい兆しと受け止められた一方、週ベースで100万件を超える状況は変わっていない。事業者の間では給与保証プログラム(PPP)で得た資金が底を突きつつあり、向こう数週間から数カ月に状況が悪化する可能性がある。

トランプ式

トランプ大統領は米国の雇用と製造業を取り戻すために、「輸入関税や相殺関税、公正さと互恵主義に基づく新たな貿易合意といったあらゆる手段を行使する」と、洗濯機などを製造するワールプールのオハイオ州クライド工場で述べた。昨年の米国際貿易委員会(ITC)報告によれば、洗濯機関税は約1800人の雇用に寄与、洗濯機などを製造するワールプールでは200人の雇用が創出された。

議会の存在

次の米景気対策を巡る政府・共和党と民主党の協議は、進展しているとペロシ下院議長は述べたものの、トランプ大統領は自分の手で片付けたい意向だ。失業保険上乗せ給付や給与税減免、さらには立ち退き猶予や学資ローンに至るまで、7日か8日に大統領令に署名する計画だと述べた。大統領の権限をめぐる法的紛争に発展する可能性が高い。

最後の支援者

米投資会社ブラックストーン・グループのスティーブ・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)は、トランプ陣営への献金額が突出して大きい。ブルームバーグ・アナリシスによると、金融31社の関係者からトランプ陣営への献金額は合計480万ドル(約5億円)で、うちシュワルツマン氏が370万ドルを占めた。同氏抜きでは、4年前と比べて69%減となる。一方で米政治資金監視団体によると、米金融業界の政治献金は2008年以来で初めて民主党へと向かっている。バイデン前副大統領が集めた額は、トランプ氏の5倍に上っているという。

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