- 中国政府の方針に内モンゴル自治区の保護者や生徒らが反発
- 国語と道徳、歴史の3教科で中国語の教科書に順次移行
中国政府がモンゴル語での学校教育を制限する方針を示したことに対し、内モンゴル自治区では反発した保護者や生徒による授業ボイコットや抗議活動が広がっている。人権団体が公表した動画で明らかになった。
ニューヨークを拠点とする人権団体「南モンゴル人権情報センター」がユーチューブに投稿した動画には、複数の中学生が警察のバリケードを突破する様子が写されている。別の動画では、集まった生徒らが自分たちの要求を叫ぶ様子も確認できる。同人権団体によれば、生徒らは「モンゴルの文化はモンゴル人が守ろう」と訴えていたという。
自治区教育当局は8月31日の発表文で、国語と道徳、歴史の3教科で中国語の教科書に順次移行すると説明。同自治区では現在、多数の学校でモンゴル語による教育が行われている。中国語への移行は一部の学年の国語の授業で1日から始まり、道徳や歴史などの教科でも順次移行が行われる。
ペンシルベニア大学のクリストファー・P・アトウッド教授はウェブサイトに今週掲載された記事で、少数民族の言語による教育は新たなバイリンガル教育モデルに置き換えられようとしていると指摘。そこでは教育の場での基本言語を中国語とし、少数民族の言語は最大でも1日1時間しか使われないとしている。
原題:China’s Push to Limit Mongolian Language Sparks Protests(抜粋)