韓国の秋美愛法相=7月22日、ソウル(EPA時事)
韓国の秋美愛法相=7月22日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国の秋美愛法相(61)が与党代表時代、兵役中だった息子の休暇延長に便宜を図るよう軍に働き掛けた疑惑が浮上している。徴兵制のある韓国では、兵役絡みの不正に国民は強く反発する。娘の大学院不正入学疑惑で辞任に追い込まれた※(恵の心を日)国前法相に続く疑惑は、文在寅政権への打撃となりそうだ。

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 韓国メディアによると、秋氏は与党「共に民主党」代表だった2017年6月、兵役中の息子の休暇延長に関連し、軍に直接電話して働き掛けた疑いがある。息子は約3週間の休暇を取得したが、申請手続きなどに不自然な点が多く、野党が連日追及している。

 検察は今月、息子を任意で事情聴取し、国防省を家宅捜索した。国防省の文書には「両親から電話があった」との記載があり、電話をしたのは秋氏の夫だった疑いも残っている。検察は軍の通話記録を押収し、調べを進めている。

 秋氏は16~18年、共に民主党代表を務め、17年5月の文政権発足に貢献。※氏の後任に起用され、「検察改革」を主導し、文氏の信頼も厚い。

 裁判官出身で「清廉潔白」を売りにしてきただけに、韓国社会に不信感が広がっている。秋氏は17日、国会で「(軍に便宜を)要望したことはない」と疑惑を否定。夫が関与していないことも確認したという。

 今回の疑惑は、与党代表の母親の下で利益を受けたことを意味する「オンマ・チャンス」や、「皇帝休暇」と批判され、特に若年世代の反感が強い。16日発表の世論調査では、秋氏辞任に賛成との回答が49.0%と、反対の45.8%を上回った。捜査の展開次第では秋氏が、辞任に追い込まれた※氏の二の舞いとなる可能性もある。