[ニューヨーク 1日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、ドル指数が約1週間ぶり安値に沈んだ。追加の米コロナ経済対策への期待を追い風に、高利回り・高リスク通貨の買いが膨らんだ。

ムニューシン米財務長官とペロシ下院議長は暗礁に乗り上げている追加の新型コロナウイルス経済対策を巡り、この日も電話会談を行ったが、主要部分の見解の相違は埋まらなかった。今後も協議は続けられる。

バンノックバーン・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、ムニューシン、ペロシ両氏が「多くのシグナルを発している。大統領選前に実現しなくても、選挙後に何らかの実現があるだろう」と指摘。同時に「第4・四半期に突入する中、市場参加者は株を買い、リスクを取る動きとなっている」と述べた。

終盤の取引で、ドル指数=USDは0.1%安の93.722。一時、9月22日以来の安値となる93.522を付けた。ユーロ/ドルEUR=EBSは0.2%高の1.1743ドル。

ドルは資源国通貨に対しても下落した。豪ドルAUD=D3、ニュージーランドドルNZD=D3、カナダドルCAD=D3は対ドルで、それぞれ0.3%、0.6%、0.4%上昇した。 

オフショア中国人民元CNH=EBSも一時、対ドルで昨年5月初旬以来の高値となる6.7306元を付けた。中国市場が休場で流動性が低下し、相場の動きが誇張されたことも背景にある。その後、ドル/元は0.5%安の6.7506元の水準で推移した。

ドルは全面安となったものの、アナリストの間からはドル安は長続きせず、リスク資産の買いは先細るとの声も聞かれた。コロナ感染状況が悪化している欧州で、ロックダウン(都市封鎖)再導入が広がる可能性も指摘された。

この日発表された米指標による為替相場への影響は限定的だった。

9月26日までの1週間の新規失業保険申請件数は83万7000件と、前週から小幅減少。しかし、高止まりしており、政府の追加支援策の必要性が改めて裏付けられた。

8月の個人消費支出は、前月から伸びが鈍化した。同月の建設支出が予想を上回り増加する半面、9月のISM製造業景気指数は市場予想に反し、前月から低下した。

ドル/円 
 NY終値 105.50/105.53
   始値 105.59
高値 105.74
   安値 105.45

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1747/1.1751
   始値 1.1740
   高値 1.1769
   安値 1.1722