【ワシントン時事】新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領(74)は2日午後(日本時間3日午前)、首都ワシントン近郊の軍医療センターに入院した。ホワイトハウスによると、施設内の執務室で数日間職務に当たるという。大統領選を1カ月後に控え、現職大統領の入院という異例の事態となった。

トランプ氏、無防備さ露呈 コロナ感染で終盤に痛手―米大統領選

 トランプ氏は入院に先立ってツイッターに動画を投稿し、「私はとても元気だが、大丈夫か確認するつもりだ」と述べた。トランプ氏はスーツ姿で専用ヘリコプターに搭乗。記者団に親指を立てるポーズを見せ、健在ぶりをアピールしたが言葉は発しなかった。

 ホワイトハウスは声明で「大統領の健康状態は引き続き良く、症状は軽い」とした上で、医師の勧めにより大事を取ると説明した。

 ワシントン・ポスト紙によると、トランプ氏の健康状態は2日に悪化し、微熱、せき、鼻詰まりなどの症状が出た。病状は深刻ではないが、年齢や体質など危険因子を考慮したという。

 トランプ氏の主治医は2日、「疲れているが健康状態は良い」と声明で説明した。トランプ氏が「予防的措置」として抗体治療薬を投与されたことも明らかにした。

 過去には入院などに際し権限を副大統領に委譲した例があるが、トランプ氏は施設内の専用宿舎と執務室を使い、職務を続ける。ホワイトハウスで2日に予定されていた電話会議などの公務はペンス副大統領が代行した。