[ニューヨーク 8日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米国の追加新型コロナウイルス経済対策の行方に注目が集まる中、ドルが主要通貨に対しほぼ横ばいで推移した。
米追加経済対策を巡っては、トランプ大統領が6日、「大統領選が終わるまでコロナ対策を巡る協議を停止するよう指示した」と突然表明した後に、個別の対策の承認を呼び掛けるなど状況が二転三転し、リスク心理の振れに従い、ドル相場も揺れてきた。
この日は、トランプ大統領は航空業界向け支援や個人への小切手支給などを巡り協議していると表明。一方、民主党のペロシ下院議長は「包括的なコロナ経済対策法案なしに、個別の航空業界向け追加支援法案はない」と述べた。
バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「米追加経済対策を巡る先行き不透明性が高いため、相場は方向感を欠いている。トランプ大統領の一連のツイートにも影響されている」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数=USDは93.60と、ほぼ横ばい。今週は93.33─93.90の狭いレンジ内にとどまっている。ドルは対円JPY=で105.99円、対ユーロEUR=で1.1757ドルと、ともにほぼ横ばい。
市場では、来月の米大統領選で野党・民主党候補のバイデン前副大統領が当選するだけでなく、民主党が上院で過半数を獲得する公算が大きいとの観測が高まっている。
BDスイスの投資調査部門責任者、マーシャル・ギットラー氏は「市場ではバイデン氏当選が景気刺激策の行方に及ぼす影響が注目されている」と指摘。民主党が政権を奪還すれば、規模が大きい景気対策が策定される可能性が高まる。
NZドルNZD=は、ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)当局者がマイナス金利政策導入の可能性を改めて示唆したことを受け下落。その後は回復し、0.05%高の0.6582米ドル。 英ポンドGBP=は0.12%高の1.2934ドル。
ドル/円
NY終値 106.01/106.05
始値 106.01
高値 106.04
安値 105.95
ユーロ/ドル
NY終値 1.1758/1.1761
始値 1.1760
高値 1.1768
安値 1.1734