[ロンドン 16日 ロイター] – ジョンソン英首相は16日、欧州連合(EU)が根本的に方針を変更しない限り、通商合意のないまま離脱する準備をする時だと述べ、これ以上の交渉は意味がないという強い不満を示した。

EUは15日に開幕した首脳会議で交渉の進展に懸念を示し、主要な課題で英側が譲歩しなければ、来年1月から双方の関係が途絶えるという最後通告を表明した。

ジョンソン首相は、オーストラリアとの間のような簡素な自由貿易の原則に基づいて1月1日に向けた準備すべきだという結論に達したと述べた。

これに対し、EU各国首脳は協議継続の姿勢を強調。ドイツのメルケル首相は合意を得ることが最善で、双方の妥協が必要になるだろうと指摘。フランスのマクロン大統領は、EU加盟国より英国の方が合意を必要としていると述べた。

ジョンソン首相の報道官は「通商協議は終わった。EUは交渉の立場を変えたくないと表明したことで事実上終了させた」と指摘。EUのバルニエ首席交渉官と来週ロンドンで協議する意味はないと述べた。

ただ、英首相官邸は、バルニエ首席交渉官と英国のフロスト首席交渉官が来週に協議することで合意したと発表した。

ジョンソン首相の発言後、英ポンドは対ドルで一時下落。その後持ち直したが、報道官の発言を受けて再び値を下げた。