ベトナム戦争に派遣された韓国軍による民間人虐殺の際に生き残ったベトナム人女性、グエン・ティ・タンさん(60)が、韓国政府に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が17日までに、ソウル中央地裁で開かれた。韓国政府は虐殺の立証が不十分などとして請求棄却を求めた。
タンさんの代理人弁護士は閉廷後、報道陣に「韓国政府は南ベトナム解放民族戦線が韓国軍に変装していた可能性なども主張するようだが、理解できない」と批判した。
韓国政府は8日、ベトナムと結んだ「軍事実務覚書」にベトナム戦争による民間人の被害補償が盛り込まれているため、訴訟を通じた被害救済はできないとの答弁書を提出したが、弁論の直前に撤回した。理由は不明。
タンさんは、インターネットを通じて弁護士の報告を受け「死んでしまった数多くの魂を救う機会にしてほしい。裁判長には公正な裁判をお願いしたい」と訴えた。(共同)