【ウィルミントン(米デラウェア州)時事】米大統領選を制した民主党のバイデン前副大統領(77)は7日夜(日本時間8日午前)、地元デラウェア州ウィルミントンで演説し、「米国民は明白で圧倒的な勝利をもたらした」と宣言した。「激しい言葉を捨て、互いの声に耳を傾ける時だ。米国を癒やす時だ」と述べ、国民に融和を呼び掛けた。
バイデン氏は米国の現状について「絶望に打ち勝ち、国家の繁栄を築き上げる歴史の転換点にある」という認識を表明。「国民を分断するのではなく、団結させる大統領になる」と誓った。さらに「米国を再び世界で尊敬される国にする」と語り、国際協調を重視していく姿勢も明確にした。
また週明けの9日に、新型コロナウイルス対策を具体化する科学者チームを設置すると発表。「ウイルスを制御するまで、経済を修復し、活力を取り戻すことはできない」と話し、コロナ克服を最優先課題に据える方針を示した。
バイデン氏はこのほか、経済的繁栄、医療、人種差別の根絶、気候変動対策に力を入れると強調した。新政権の顔触れに関しては「米国らしいものにしたい」として、多様性を重視する考えも明らかにした。
バイデン氏に先立ち、副大統領に就任するハリス上院議員(56)も演説。「私は最初の女性副大統領かもしれないが、最後ではない。今夜見ている全ての少女が、ここが可能性の国であることを知っているからだ」と訴えた。