日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が日本で130日近く勾留されたことについて、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会は、必要とも妥当とも言えず、同被告の人権を侵害したと東京地検を厳しく批判した。
同部会のウェブサイトに掲載された報告書は、ゴーン被告の勾留期間を引き延ばすため4回にわたって逮捕した決定は「根本的に不公平だ」と断じた。拷問およびその他の残虐・非人道的または屈辱的な処遇の問題を取り扱う国連特別報告者にこの件を報告するとしている。
同作業部会は「ゴーン被告に対する逮捕の繰り返しは、勾留を確実に継続するための手続きの乱用と見受けられる」と論じ、期間が異なるだけで同じ嫌疑について少なくとも2度逮捕されたことに言及した。
さらに「逮捕・勾留の繰り返しは国際法に基づく法的根拠を一切持ち得ない、司法の権限を越えた手続きの乱用だった」との見解を示した。
フランソワ・ジムレ氏らゴーン被告の弁護人は作業部会の判断を歓迎し、同被告の「勾留が恣意的なものであり、公平な司法に対する権利を否定され、扱いが不当であり屈辱的であったことを紛れもなく認めるものだ」との声明を発表した。
日産の担当者はコメントを避けた。東京地検に23日に電話をかけたが応答はなかった。共同通信によると、外務省は「日本の刑事司法制度にかかる正確な理解に基づかず、大変遺憾だ」とし、20日付で異議を申し立てたという。
今回の報告はゴーン被告の勾留に関するものであり、日本からの逃亡についてではないと作業部会は明確にし、「あのような出国に対して、許されるもしくは何かしらの正当性が与えられると解釈されるべきではない」と説明した。
原題:Ghosn’s Arrests Called ‘Extrajudicial Abuse’ by UN Panel (1)
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