新型コロナウイルスから回復した人の抗体で作る「特殊免疫グロブリン製剤」の国際的な治験が始まり、日本でも国立国際医療研究センターなどが参加し、実際の患者に投与して効果や安全性を調べています。この治験は、アメリカの国立アレルギー・感染症研究所が資金を提供する国際的な枠組みが進めていて、日本からは国立国際医療研究センターと愛知県の藤田医科大学が参加しています。
「特殊免疫グロブリン製剤」は新型コロナウイルスに感染して回復した人の抗体を集め、薬にしたもので、新型コロナウイルスに対する効果が期待されています。
国立国際医療研究センターによりますと、藤田医科大学と共同で新型コロナウイルスに感染して入院が必要な国内の患者10人を対象に薬を投与し、およそ1か月間、経過を観察するということで、各国からのデータとあわせて効果や有効性を調べるということです。
また、国立国際医療研究センターでは現在、回復した人の血液から抗体が含まれた「血しょう」と呼ばれる成分をとりだして投与する「回復者血しょう治療」の臨床研究も進められていて、効果や安全性に違いがあるのかなども調べるということです。
国立国際医療研究センターは「新型コロナウイルスに対する有効な治療法が限られている中で、この治療法の効果や安全性が証明されれば、有効な治療手段の一つになる可能性がある」としています。