[ニューヨーク 24日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では薄商いの中、ドルが小幅高。英ポンドも上昇した。英国と欧州連合(EU)が自由貿易協定(FTA)を含む将来の関係を巡る交渉で合意し、英国のEU離脱後の混乱が回避される運びとなったことが材料視された。

しかし、英・EUの合意の可能性がすでに織り込まれていたほか、利益を確定する動きが出たことで、合意発表後、ドルは下げを取り戻し、ポンドは上げ幅を縮小した。

午後の取引で、ドル指数は小幅上昇の90.33。週間では約0.4%上昇と、11月半ば以来の高い伸びとなる。しかし、年初来では6.4%下落し、2017年以来の大幅な下げを記録する見通し。

ポンドは一時1.3620ドルまで上昇し、2年半ぶりの高値に迫った。その後は0.3%高の1.3544ドルで推移した。

ポンドは対ユーロでも一時、3週間ぶり高値となる89.54ペンスを付けた。ユーロ/ポンドはその後0.4%安の89.95ペンス。

ノルデアのチーフ外為・金利ストラテジスト、アンドレアス・ステノ・ラーセン氏は、英EUの合意について「単に崖っぷちから転げ落ちる状況が回避されたに過ぎない。サービス部門を含めた包括的な通商協定ではない」と指摘。ポンドが大きく上昇していないのは「英国にとってはまずまずのシナリオとなったが、それ以上の内容ではないためだ」と述べた。

米議会ではこの日、2021年度予算案と一体化している新型コロナウイルス追加経済対策法案の修正を巡り与野党の攻防が続き、修正には至らなかったものの、為替相場は反応薄だった。

リスク選好度の高まりを背景に、ドルは高リスク通貨に対しては弱含んだ。豪ドルは0.3%高の0.7599米ドル、ニュージーランドドルは0.2%高の0.7109米ドル。25日はクリスマスのため米金融市場は休場となる。

ドル/円 
 NY午後3時 103.65/103.68
    始値 103.66
    高値 103.76
    安値 103.62

ユーロ/ドル 
 NY午後3時 1.2180/1.2181
    始値 1.2193
    高値 1.2199
    安値 1.2178