【ワシントン時事】米連邦議会への襲撃で支持者を扇動したとして弾劾訴追されたトランプ前大統領(共和党)の弾劾裁判について、与野党は22日、2月9日から開催することで合意した。CNNテレビなどが伝えた。大統領の弾劾裁判が退任後に行われるのは初めて。

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 与党民主党上院トップのシューマー院内総務は、25日に下院から弾劾訴追決議(起訴状に相当)の送付を受けると説明し「十分で公正な弾劾裁判を行う」と強調した。ただ、上院ではバイデン政権の人事承認や新型コロナウイルス対策に関する法案審議を急ぐ必要から、実際の審理入りは2週間後とした。

 共和党上院トップのマコネル院内総務も、トランプ氏弁護団の準備が必要として、審理を2月中旬からとするよう提案していた。

 5人が死亡した連邦議会襲撃事件をめぐり、トランプ氏は13日、「反乱を扇動」したとして下院に弾劾訴追された。与野党の勢力が50対50の上院で、3分の2以上の賛成により「有罪」とするには共和党から少なくとも17人の賛同が必要。有罪となった場合、トランプ氏は公職に就く資格を剥奪される可能性がある。