【モスクワ時事】ロシア帰国後に拘束された反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求めるプーチン政権への抗議デモが23日、首都モスクワなどロシア各地で行われた。ロイター通信によれば、モスクワでは少なくとも4万人が参加し、過去数年で最大規模の抗議活動となった。治安当局は無許可デモとして取り締まり、人権団体「OVDインフォ」によると、全土で1873人が拘束された。

欧米の批判受け入れず ナワリヌイ氏拘束でロシア

 欧米はナワリヌイ氏拘束を非難し、釈放を求めている。デモ取り締まりで、ロシアに対する批判がさらに強まりそうだ。

 モスクワのデモでは、参加していたナワリヌイ氏の妻ユリヤさんを含め約600人が拘束された。ロシアのメディアによれば、極東ウラジオストクで約3000人、シベリアのノボシビルスクで約4000人など地方でも多数が参加しており、政権への不満の高まりが浮き彫りになった。参加者は「プーチン(大統領)は泥棒だ」「ナワリヌイ氏に自由を」と気勢を上げた。

 プーチン政権批判の急先鋒(せんぽう)であるナワリヌイ氏は昨年8月にロシア国内で毒殺未遂に遭った。今月17日に療養先のドイツから帰国したが、直後にロシア当局に拘束された。

 拘束後にナワリヌイ氏はインターネットを通じて抗議行動を呼び掛けた。さらに同氏の陣営は19日、プーチン大統領のために1000億ルーブル(約1400億円)を投じて建てられたとされる豪華な「宮殿」の存在をネット上で暴露。暴露動画の再生回数は6000万回を超えている。