[3日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)の退任は、過去最高益となった同社の2020年第4・四半期決算を受けた市場の高揚感に冷水を浴びせた。しかし、後任となるクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」トップのアンディ・ジャシー氏(53)について、アナリストは明るい見方を示している。
第4・四半期売上高が初めて1000億ドルを突破し、アマゾンの業績が最高潮を迎える中でのべゾス氏退任を予想する向きは多くなかった。しかし、アマゾンが16年にAWSとコンシューマー部門のCEO職を新設してから、ジャシー氏は後継者の有力候補と目されていた。コンシューマー部門のジェフ・ウィルクCEOは今年初めに退任した。
DAデイビッドソンのアナリスト、トム・フォート氏は「退任発表の時期はサプライズだったが、ジャシー氏の起用は驚きではなかった」と述べた。
同時に「市場でのべゾス氏の人気を踏まえると、ジャシー氏就任後にアマゾン株価が圧力にさらされても驚きではない」との見方を示した。
アマゾンの株価は昨年、約76%値上がり。今年は1月中旬から2日の四半期決算発表にかけ約8%上昇。3日午前の取引では小幅安で推移している。
フォーテ・セキュリティーズの株式トレーダー、キース・テンパートン氏は、新型コロナウイルスワクチン接種など今後3─6月の状況を踏まえ、「アマゾン株の上昇余地は限られている」と指摘した。
リフィニティブによると、証券会社少なくとも17社が目標株価を引き上げ。46社が投資判断を「バイ」以上としている。