[ローマ 4日 ロイター] – イタリアのマッタレッラ大統領から組閣要請を受け入れた欧州中央銀行(ECB)前総裁のマリオ・ドラギ氏が4日、新政権発足を目指し、組閣に向けた協議を開始した。当初ドラギ氏への支持に難色を示していた最大政党の左派「五つ星運動(M5S)」は、ここにきて態度がやや軟化しているもようだ。
五つ星に近いコンテ前首相は、ドラギ氏の幸運を祈るとした上で、次期政権が実務型な範囲にとどまらず政治的な性格を打ち出せるよう期待していると述べた。コンテ氏の発言は五つ星がドラギ氏への協力を検討している表れとみられる。
一方、五つ星前党首のディマイオ外相は「まずドラギ氏と会って話を聞いた上で判断する必要がある」と述べ、慎重な考えを崩さなかった。
こうした中、右派「同盟」のサルビーニ党首は、五つ星がドラギ氏への支持に回った場合、同盟は支持しないと表明。同盟か五つ星かどちらかを選ぶようドラギ氏に迫った。
中道左派「民主党(PD)」のジンガレッティ書記長(党首)は、新政権を支持する意向を示し、ドラギ氏は8、9割方組閣に成功するだろうとした。
ドラギ氏は5、6日の両日に主要政党と協議する。同盟や五つ星との協議は6日に予定されている。