[8日 ロイター] – ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官は8日、軍事クーデターによる政権掌握後初めてテレビ演説し、感情ではなく事実を重視するよう国民に訴えた。
過去の軍事政権とは異なり、憲法を尊重すると主張。選挙を実施し、勝者が政権を担うほか、適切な閣僚が選出されると強調した。
昨年11月の総選挙では不正があったものの、看過されたとの見解を改めて示したものの、クーデターで拘束したアウン・サン・スーチー氏については言及しなかった。
外交政策に変更はなく、ミャンマーへの投資を歓迎するとも述べた。
これに先立ち、国営テレビは8日、国民の不法行為を容認せず、犯罪者は阻止され排除されるとのメッセージを流した。
MRTVのメッセージでは、国家の安定や国民の安全、法の統治を揺るがす行動に対しては法的措置を取るべきだと表明。また、人々は強制されたり脅されたりなどしているとして、規律がなければ民主主義が崩壊すると警告した。
通常番組の放送中、テロップの形でメッセージが表示されている。発信源など特定の組織などへの言及はなかったが、当局がデモに言及したコメントはこれが初めて。
首都ネピドーでは警察が、抗議デモ隊に対し解散しなければ武力で排除すると警告した。
メディアの中継では、道路に武装警察が3列に並び、放水車が待機している。デモ隊は、クーデターへの抗議の声を上げるとともに、警察に対し、国軍でなく人民のために働くべきと訴えた。
同国では先週の軍事クーデターに対する抗議活動が3日連続で行われ、数万人が街頭デモに参加。不服従運動への支持を呼び掛ける声も大きくなっており、クーデターに対する国際社会の非難の声も広がっている。
この日、在ミャンマー米国大使館は、ヤンゴンとマンダレーで午後8時から翌朝午前4時までの外出禁止令が出されたと報告を受けたと明らかにした。
ミャンマーの与党国民民主連盟(NLD)幹部は8日、国連のグテレス事務総長宛の書簡で「クーデターを無効にするためにあらゆる手段を行使」するよう訴えた。国連報道官は書簡を受け取ったと確認した。