[ソウル 12日 ロイター] – 北朝鮮の金正恩総書記は、新たな国家経済発展5カ年計画について、目標の設定でイノベーションや賢明な戦略が欠けているとして、内閣を批判した。国営メディアが12日に報じた。
同国では4日間にわたって開催された朝鮮労働党中央委員会総会が11日に終了。金総書記は韓国や他国との関係について方向性を示したほか、党の規約や人事の問題についても見解を示した。
金総書記は、昨年までの5カ年計画が「ほぼ全ての分野」で目標を達成できなかったと発言していたが、新たな5カ年計画について、前回の計画から大幅な改善が見られないとして内閣を批判した。
国営の朝鮮中央通信社(KCNA)によると、金総書記は総会で「(新たな5カ年)計画は党のイデオロギーと指針を正確に反映しておらず、イノベーションと賢明な戦略が欠けている」と発言。
「内閣は各省が提出した数値を機械的に合算しており、一部のセクターの計画は非現実的なほど壮大だ。他のセクターは、すでに容易に達成可能で、達成して当然の目標を引き下げている」と述べた。
朝鮮労働党は首都平壌に今年1万戸の住宅を建設することを決定。金総書記は従来の建設計画について、目標が低すぎ、官僚の「保身と敗北主義」の産物だと批判していた。
KCNAによると、金総書記は自立度を高め、国内生産を増やすべきだとも主張。2020年の北朝鮮の対中貿易額は、厳格なロックダウン(都市封鎖)を受けて、前年比で80%以上減少した。
朝鮮労働党は人事についても協議。李善権外相を党政治局員に選出した。