北朝鮮は米ファイザーをハッキングし、新型コロナウイルス感染症(COVID19)のワクチンと治療に関する情報を得ようとしたと、韓国情報当局の説明を受けた同国議員が語った。

  複数の議員によると、国家情報院(国情院)が16日、議会情報委員会に対する非公開の説明会でこの情報を明らかにした。情報委員会に所属する野党議員の河泰慶(ハ・テギョン)氏はソウルで記者団に対し、「ファイザーがハッキングされた」と述べた。

  米マイクロソフトは昨年11月、北朝鮮とロシアのハッカーが新型コロナのワクチンと治療法の開発に取り組む7社を標的にしたと発表。これに続きファイザーとそのパートナー企業の独バイオテックが、欧州医薬品庁(EMA)に提出したコロナワクチン開発関連の文書がサイバー攻撃で狙われたと明らかにし、自社のシステムからの情報流出はなかったとしていた。

  北朝鮮は公式には新型コロナ患者の発生を認めていないが、最大の貿易相手国である中国との国境を1年前に閉鎖するなど、ウイルス流入への懸念を示している。河議員は国情院の情報として、中朝間の貿易は昨年10-12月(第4四半期)に前年同期比で99%減少したと述べた。北朝鮮は今年、550万トンの穀物需要に対し100万トンが不足する見通しだという。

原題:North Korea Tried to Hack Pfizer for Vaccine Data, Seoul Says(抜粋)