新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、河野規制改革担当大臣は24日夜、記者会見し、4月12日から高齢者への接種を限定的に開始するとしたうえで、4月26日の週から、すべての自治体に行き渡る数量のワクチンを配送したいという考えを示しました。

新型コロナウイルスのワクチン接種は、先週から、およそ4万人の医療従事者を対象に先行して始まり、24日までに、およそ1万8000人が接種を受けました。

ワクチン接種を担当する河野規制改革担当大臣は24日夜、記者会見し、4月12日から高齢者への接種を開始するとしたうえで「ワクチンが限られているので、当初は、数量限定になるが、配送システムや会場運営などの段取りを丁寧に確認してもらいながら、接種を円滑にスタートし、徐々に拡大していきたい」と述べました。

具体的な配送については、4月5日の週に、人口が多い東京、神奈川、大阪には4箱ずつ、それ以外の道府県には2箱ずつ、合わせて100箱を配送し、これは高齢者およそ5万人の2回分の接種に相当するとしています。

また12日の週に、東京、神奈川、大阪に20箱ずつ、それ以外の道府県に10箱ずつ、合わせて500箱、高齢者およそ25万人の2回分相当を配送し、19日の週に、同様に合わせて500箱を配送するとしています。

一方、どの市町村で接種を行うかは、それぞれの都道府県で調整し、実際の状況や教訓について、自治体どうしで共有してもらいたいという考えを示しました。

そして河野大臣は「『目安として2か月と3週間で高齢者の接種を終えることを目標にやってください』と申し上げたが、自治体によって状況がだいぶ違うので、ここから先は自治体の組んだ体制でやっていただくことになる」と述べました。

そのうえで、すべての自治体に高齢者向けのワクチンの供給が始まる時期について「4月26日の週から、全国すべての市町村に行き渡る数量のワクチンの配送を行いたい」と述べました。

また、医療従事者への接種が当初の想定より多くなったため、4月から5月にかけては、高齢者と並行して接種が行われる可能性が大きいとして、医療従事者への接種を速やかに完了できるよう全力で取り組む考えを示しました。

さらに、来月中に、最大6回分のワクチンを採取できる容器が195個入っている箱が、2000箱余り供給されると見込んでおり、来月1日に、EU=ヨーロッパ連合から第3便として、450箱が到着することを明らかにしました。

そして、河野大臣は「高齢者は3600万人が対象になるので、ワクチンが全国に出始めたからといって、すべての方に、一斉に『よーい、どん』ということにはならない」と述べ、理解を求めました。

一方、河野大臣は「ファイザーの供給数量とEUの承認という不確定要素があり、きょう申し上げた数量が出せないということもあるが、どこかで決めて、お知らせしなければ、自治体も準備ができないので私の責任で申し上げた。もし、このとおりにいかなければ、責任はすべて私にある」と述べました。