[ジュネーブ/ミラノ/ソフィア 12日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は12日、英製薬大手アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンに全面的な支持を表明した。接種後に血栓ができる事例が報告され、同社のワクチン接種を停止する動きが広がる中、懸念払拭に努めた。
ブルガリアは12日、同国の57歳の女性がアストラゼネカ製ワクチンの接種後に心不全で死亡したこと受け、同社製ワクチンの接種を一時停止すると発表。デンマークやノルウェー、アイスランドなども同ワクチンの接種を一時中止している。オーストリアやイタリア、ルクセンブルク、エストニア、リトアニア、ラトビアは特定バッチ番号のワクチンの使用を停止しているほか、タイでも一時停止に踏み切っている。
WHOは、同ワクチンと血栓の因果関係を調査中と明らかにした。
WHOのハリス報道官は、アストラゼネカ製ワクチンを「優れたもの」とした上で、「同ワクチンの使用を継続することが重要」という考えを示した。さらに「いかなる安全性を巡るシグナルについても調査が行われる」と強調した。
アストラゼネカのワクチンはこれまでに開発されている新型コロナワクチンの中で最も安価で、生産量も最大。