ソフトバンクグループが出資する東南アジアの配車サービス大手グラブ・ホールディングスは、米投資会社アルティメーター・キャピタルの特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じた上場を協議しており、交渉が進んだ段階にある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この取引でグラブの企業価値は約400億ドル(約4兆3630億円)と評価される可能性がある。
部外秘の協議内容だとして匿名を条件に語った関係者によると、このSPAC「アルティメーター・グロース・コープ」との取引が成立すれば、25億-30億ドル規模のPIPE(上場企業の私募増資)が含まれる可能性がある。この増資の引き受け候補となる投資家との正式な交渉は、来週にも始まる公算だという。
グラブとアルティメーター側は4月にも取引成立を発表する可能性があると、関係者の1人は述べた。この協議ではエバコア、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーがアドバイザーを務めており、今後さらにアドバイザーの銀行は増えることもあり得ると、複数の関係者が語った。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は11日、グラブがアルティメーターのSPACの一つと交渉に入っていると報じた。協議は進行中で、詳細は変わる可能性もあると関係者は述べた。グラブの担当者はコメントを控え、アルティメーター・グロースとエバコアの担当者からは今のところ応答はない。
グラブの純収入は新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みから急回復し、2020年は約70%増加。同社の価値は直近の資金調達で140億ドル余りと評価された。今後はインターネット金融や食品宅配の分野で事業拡大を狙っている。
原題:Grab Said in Advanced Talks to Merge With Altimeter’s First SPAC(抜粋)