[17日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は16─17日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きと国債などを買い入れる量的緩和の継続を全会一致で決定し、景気支援に向けあらゆる手段を行使する姿勢を改めて表明した。同時に、新型コロナウイルス感染拡大が収束に向かうに従い、今年の米経済成長率とインフレは大きく上昇するとの見方を示した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●声明が予想以上に楽観的<レノックス・ウエルス・アドバイザーズ(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、デビッド・カーター氏>今回の連邦公開市場委員会(FOMC)声明は、予想より楽観的だった。連邦準備理事会(FRB)は経済成長と労働市場の見通しをともに引き上げた。市場では声明はかなり楽観的だったと受け止められている。
●インフレ期待上昇、全く懸念せず<フィッチのチーフエコノミスト、ブライアン・クルトン氏>米連邦準備理事会(FRB)は、国債市場で示されているインフレ期待の上昇を全く懸念していないようだ。
 FRBは経済活動を巡る指標が上向いたことに言及し、2021年の成長率見通しを(6.5%に)2.3%ポイント引き上げ、23年の失業率見通しを3.5%とした。それにもかかわらず、政策の軌道の変更は全く示唆されなかった。
 ドットチャートでは、明らかな過半数(18人中11人)が23年末になっても利上げはないとの見通しを示した。事実がこれほどまで変化しているにもかかわらず、政策ガイダンスに全く変化がないことは、FRBの反応の仕方が変化したことを明らかに示している。
●早期利上げないと確認<キングズビュー・インベストメント・マネジメント(シカゴ)のポートフォリオマネジャー、ポール・ノート氏>米連邦準備理事会(FRB)は経済が良好に推移していると認識しているが、早期に利上げしない姿勢を確認した。株式が買われているのはそうした態度を受けたものと考えられる。
 債券利回りの上昇についてはリスク選好の表れと捉えている。