【ワシントン=黒瀬悦成】AP通信は21日、複数の米情報当局高官の話として、イランが米ワシントン市内にあるフォート・マクネアー陸軍基地の攻撃を計画している可能性があると伝えた。米軍は事態を受け、基地周辺の警戒態勢を強化したとしている。

 米高官らによると、攻撃計画は1月、通信情報を専門とする米情報機関「国家安全保障局」(NSA)がイラン革命防衛隊による交信を傍受して判明した。

 計画では、基地自体への攻撃に加え、基地内に公邸があるマーティン陸軍副参謀長の殺害も画策していたことが分かった。

 イランは攻撃手法として、2000年10月に米兵17人が死亡した、国際テロ組織アルカーイダによる米駆逐艦コールへの自爆攻撃のような、船舶による水上からの攻撃を検討している可能性が高いという。

 基地は、ポトマック川とアナコスティア川の合流点となる半島の先端にあり、米軍はワシントン市当局に対し、基地周辺の川に75~150メートルの緩衝地帯を設け、ボートなどの接近を禁止するよう要請した。

 ただ、一帯は水上タクシーや遊覧船などの往来が激しく、市当局が緩衝地帯の設置に難色を示し、基地側と対立しているという。