【ソウル=建石剛】来年3月の韓国大統領選の前哨戦に位置づけられる首都ソウルと第2都市の釜山の両市長選が7日、投開票された。いずれも与野党の事実上の一騎打ちの構図で、KBSテレビは、両市で保守系野党候補が「当選確実」と報じた。文在寅政権を支える左派系与党は大差で惨敗の様相となっている。
中央選挙管理委員会の8日午前0時時点の開票状況(開票率42・58%)によると、ソウルでは、最大野党「国民の力」の呉世勲・元ソウル市長(60)が、与党「共に民主党」の朴映宣・前中小ベンチャー企業相(61)に得票率で15・33ポイント差をつけている。呉氏は8日未明、「最善を尽くす」と勝利宣言した。
釜山でも、李明博政権で高官だった朴亨ジュン氏(61)(国民の力)が、文政権元閣僚の金栄春氏(59)(共に民主党)に圧勝する勢いとなっている。
不動産価格の高騰などの経済失政が重なり、文大統領の支持率は過去最低に落ち込んでおり、選挙戦で「政権審判」を訴えた野党に追い風が吹いた。有権者数が国内全体の4分の1(昨年4月時点)を占める両市で野党が勝利を確実にし、文氏の求心力低下は必至の情勢だ。