世界経済フォーラム(WEF)がシンガポールで8月に予定していた年次総会の中止を発表しました。予定通りに実施するとの説明から1週間足らずで中止に追い込まれた格好です。シンガポールではここ最近、新型コロナウイルス感染が急増。WEFはワクチン接種のペースが異なることやウイルス変異株を巡る不透明感から世界規模での会議開催は不可能だと説明しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
初輸出
バイデン米政権は、米国内での使用が承認された新型コロナウイルスワクチンを初めて輸出する。バイデン大統領は、既に輸出を計画している英アストラゼネカ製ワクチン6000万回分に加えて、米ファイザーとモデルナ、ないしジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチン少なくとも2000万回分を6月末までに輸出すると発表した。
休戦
欧州連合(EU)と米国は、鉄鋼・アルミニウム関税を巡る問題をこれ以上エスカレートさせないことで合意した。EUはバーボンウイスキーやハーレーダビッドソンの自動二輪車など象徴的な米国製品に対する関税を来月2倍に引き上げる予定だったが、今回の合意により取りやめた。トランプ前政権が2018年に米国の安全保障リスクを理由に欧州やアジアなどからの鉄鋼・アルミ輸入に関税を導入。EUは報復措置を講じ、6月1日には一部の米製品に対する関税率をこれまでの倍の50%に引き上げることになっていた。
まだ先の話
米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は市場予想より弱かった4月の雇用統計について、米金融当局が大規模な債券購入を縮小する目安に米経済がまだ達していないことを示しているとの考えを示した。クラリダ氏はアトランタ連銀が開いた会議で講演後、質疑に応答。債券購入縮小の開始時期に関するガイダンスに言及し、「4月の雇用統計を踏まえると、一段と顕著な進展は遂げていない」と回答した。
業界の先例に
米銀JPモルガン・チェースは17日、全米でオフィス勤務を再開した。同行にとっては新型コロナ禍後のニューノーマル(新たな常態)に向けた次の一歩だが、米国の金融業界にとっては先例になる。オハイオ州、テキサス州、アリゾナ州のオフィスはニューヨーク本社と異なり、新型コロナ流行を受けて少なくとも部分的に閉鎖されていた。同行は7月上旬には全従業員を交代制などでオフィスに戻す計画。
20万人削減も
米ウェルズ・ファーゴのマイク・メイヨー氏によれば、米銀行業界は今後10年間で最大20万人を削減する可能性がある。収入の伸びが鈍化する一方、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)によって自動化が進み、デジタルサービスの導入が広がるとの見方が理由だ。同氏はリポートで、「経済再開や社会の正常化に伴い、銀行は人員削減を加速させる可能性が高いと考える」と分析した。
その他の注目ニュース
ソフトバンクGファンド、欧州でハイテクSPAC検討-3億ドル規模
香港とシンガポール、「航空トラベルバブル」をまた延期 (1)
チリ資産が急落、制憲議会選で連立与党が惨敗-左派が躍進