【北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は19日の記者会見で、ペロシ米下院議長が2022年の北京冬季五輪の「外交的ボイコット」を行うべきだと提唱したことについて「人権問題を利用して中国を中傷し、北京冬季五輪の妨害や破壊を企てている」と述べ、強烈な不満を表明した。米側に対し「五輪を卑劣で政治的な悪だくみに使うのをやめるべきだ」と牽制(けんせい)した。
趙氏は、米側が中国政府による新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧を批判していることに関し、「嘘やフェイク情報がはびこっている」と主張。その上で「スポーツの政治化は五輪憲章の精神に背いている。各国選手の利益や国際的な五輪事業を損なう」と述べ、米国などで目立つボイコットを求める声に反発した。